名古屋野外実習

今年度の人文地理学野外実習は、2008年度以来の名古屋です。参加学生は4人と少ないので、臨機応変に食事に行けそうです。

2月12日(日)

栄のホテルに13時に集合して荷物を預け、名古屋駅に戻ってミッドランドスクエアの展望台、スカイプロムナードに登ります。
学生の一人が遅刻してきて、直接スカイプロムナードの入り口で待ち合わせとなりました。


名古屋駅の東側です。JRセントラルタワーズに加え、JRゲートタワー、JPタワーなどが竣工して、立派になりました。


ミッドランドスクエアは名古屋で一番高いビルて247mです。真ん中より上はトヨタ自動車のオフィスとなっています。

笹島方面を見たところ、以前は空き地だったのにずいぶん開発されて高層ビルまでできています。

このビルはグローバルゲートという2017年3月竣工予定のオフィスビルだそうです。名古屋駅から1駅離れた場所なので、オフィスとしてはちょっと不利ですが、どうでしょうか。


こちらは2015年竣工の2代目大名古屋ビルヂングで高さ180mと、スカイプロムナードからは見下ろせる高さです。


その後、大曽根まで行って徳川美術館へ。美術館に行くのは珍しい。美術館では、刀剣類や、嫁入道具、ひな人形の展示などがありました。


徳川美術館は尾張藩二代藩主の隠居所として作られた屋敷で、台地の北の端にあたります。地図は明治24年の地形図で、茶色は台地を示しています。



美術館からは、南側の基幹バスを使って栄に戻ります。基幹バスとは、名古屋独特のバスで、道路の中の専用レーンを走ることで定時性の向上を図っています。写真ではちょっとわかりにくいですが、中央分離帯にバス停があります。


栄ではもう夜になったので、中日ビルの地下で味噌煮込みうどんを食べ、テレビ塔に向かいます。

途中の2002年にできたオアシス21の屋根「水の宇宙船」からテレビ塔を眺めます。ガラスの上に水が張ってあり、テレビ塔の展望台になっています。


テレビ塔内はプロジェクトマッピングのイベントをやってました。日曜日のせいか、結構賑わってました。展望台から見たオアシス21です。

今日はここまでにしてホテルに戻ります。


2月13日(月)

朝はホテルの近くのコメダ珈琲でモーニングにしました。コメダ珈琲は、喫煙席か多くてたばこ臭いですね。あと、コンビニもそうですが、深夜・早朝の従業員は基本外国人ですね。

当初はトヨタ自動車に工場見学に行く予定でしたが、予約が取れなかったので、名古屋市内のアサヒビール名古屋工場にしました。

ビール工場は原料の重量の大部分を普遍原料(どこでも入手できる原料)の水を占めているので、消費地の近く、つまり都市の近くに立地しています。さらに、以前は鉄道でビールを輸送していたので、鉄道の近くに立地しており、公共交通機関で行きやすいということで、野外実習では結構でかけてます。

地図は昭和61年のものですが、新守山駅から工場まで引き込み線があることが分かります。ただし、現在では引き込み線はなくなって、トラックで輸送しています。


入ってすぐに巨大なタンクが並んでいます。1人の人が毎日ビールを飲んだら3000年分あるとか。


以前は撮影禁止でしたが、最近は撮影できるようになりました。ビールを缶に入れて蓋をする工程で、高速で回っています。機械は三菱電機製でした。広い工場ですが、従業員は百数十名とのことでした。


見学後は試飲ができるのがビール工場見学のいいところです。

工場から東に向かい、ゆとりーとラインという、名古屋独特のガイドウェイバスという乗り物に乗ります。高架上をバスが走っていて、バスの側面から案内輪が出て、運転手はハンドルを操作しなくてもよいのです。雪が降って積雪したらどうするのか気になりました


ゆとりーとラインでまた大曽根に戻ります。昼になったので、東海地方によくあるスガキヤでラーメンを食べました。先割れスプーンが独特です。


瀬戸線の大曽根駅から、東大手まで行きます。1973年まではここからそのまま名古屋城の堀の中に線路があったのですが、今は地下で栄町まで入っています。


名古屋城に向かう途中に、名古屋市役所と愛知県庁があります。屋根が天守閣みたいになっていますが、1930年代に多く作られた帝冠様式という和洋折衷の建築様式で、九段会館や神奈川県庁もこの様式です。


名古屋城に入ります。実は名古屋城に入るのは初めてです。

本丸に入ると、いきなり近年木造で再建された本丸御殿になります。こういうところは別途入場料がかかりそうですが、そういうことはありませんでした。再建されたばかりでピカピカです。あと100年くらいしたら風格が出るのではないでしょうか。


西側から見た名古屋城です。天守閣も木造で復元する計画があって、現在の名古屋市長が旗を振ってます。しかし木造で史料に忠実に再建したら、中の施設は全くなくなってしまうのではないでしょうか。


名古屋城に登って名古屋駅方面を見てみました。


名古屋城から金山駅に行き、名古屋で唯一の重要伝統的建造物群保存地区に2016年に指定された有松地区に見学に行きました。有松は旧東海道沿いにありますが、宿場ではなく、有松絞りという染め物の生産地として有名です。


有松から東海道を東に少しで、今川義元の墓があるということで寄りました。


中京競馬場駅から名古屋駅に戻り、本日の行程は終了です。


2月14日(火)

今朝もたばこ臭いコメダ珈琲でモーニングを食べて出発です。

今日は南に向かい、まず熱田神宮へ。熱田神宮はヤマトタケルの使った三種の神器の一つ、草薙剣をまつる神社です。熱田は台地の南端岬状の土地で、江戸時代の東海道はここから桑名まで海路でした。


桶狭間の戦いの前に、織田信長は熱田神宮に参拝したのですが、熱田神宮の大宮司は桶狭間の戦いで兵を率いて参加しています。織田信長が寄進したという塀が残っています。日本三大塀の一つとか(笑)。


熱田神宮を後にして名古屋港のガーデン埠頭に向かいます、といっても地下鉄でいったん金山に戻って乗り換えです。
ガーデン埠頭では先代の南極観測船ふじが展示してありますが、補修工事中でした。タロとジロの像。


名古屋港ポートビルに登りましたが、ちょうど天気が悪くなって遠くは見えませんでした。東側の三菱重工。戦前は零戦などの戦闘機、現在はロケット部品などを作っています。ロケットの本体は飛島工場で組み立てているようです。


近くの中川運河に、中川口閘門という閘門があるので、寄ってみました、といっても歩いて25分くらいでちょっと遠い上に、国道23号の橋の上が排気ガスで臭いのが難点。

中川運河の閘門というと、堀川との間の松重閘門が有名ですが、こちらの閘門は、中川運河の水位を干満の影響を受けないように一定に保つために設けられています。


最近は通過する船は少ないようでした。あと閘門で閉鎖されて水たまり状態になっているため、水が赤茶色に濁っていて、水質の浄化が必要な感じです。

さらに商店街で有名な大須に向かいます。写真の右側にパソコン周辺機器メーカーのBuffaloの本社ビルがあります。
高校生の頃(1980年代)、パソコンショップを回るためによく来ていましたが、今はPC関係よりもアニメ・オタク向けの店が増えています。大須観音など寺社もあるので、若者からお年寄りまで賑わっています。


ここの「矢場とん」で昼食にしました。以前は通りの中に入ったところにあったと思うのですが、今は繁盛して大津通に面したビルになっています。


ここで、現地解散となりましたが、ちょっと時間があるのでまだ行ったことのない東山スカイタワーに向かいました。東山公園の奥の方にあって、駅から遠いのですが、星ヶ丘駅から行くことにします。

駅の南側には椙山女学園大学があって、そのせいか星が丘テラスというおしゃれなショッピングモールになっています。そこを抜けて15分くらいで駐車の入り口ですが、タワーの入り口までさらに少しあります。

タワーからの眺めはなかなかよく、特に市街地を東側から見たことがなかったので新鮮でした。母校の名古屋大学も眼下に見渡せます。


これで2泊3日の名古屋は終了。

久々に長いブログ記事で疲れました(笑)。

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