京都野外実習
今年度の野外実習は、2009年度以来8年ぶりの京都です。
今年度からカリキュラム改変により「人文地理学野外実習」から「地理学野外実習A」に名称が変わりました。
参加学生は5人とちょうどよい人数です。
2/12 1日目
京都のホテル「ホテル・京都・ベース 四条烏丸 」に13:00に集合です。例年遅刻者がいるのですが、今年は全員遅刻せずに集合できました。
御土居へ
まず、豊臣秀吉が築いた京都を囲む「御土居」を見学に行きます。明治の地形図にはかなり残っていますが、現在は一部のみ。
今回は、北西の佛教大学近くの御土居を見に行きます。冬型で寒いです。
四条烏丸のバス停で佛教大学行きのバスに乗ります。途中、8年前にも通った見覚えのある「餃子の王将」1号店の前を通りました。
佛教大学、なんか以前人文地理学会で来たことがあるような、と思って後で調べたら、2004年の大会で発表していました。そんなに前なのか~。
大学の北西側に狭い道を歩いて行くと、紙屋川の左岸に御土居が現れます。ここは上に登ることができます。
東側からは3m位の高さですが、西側の扇状地を開析した紙屋川の谷底までは標高差30mくらいあります。
少し北に移動すると、畑があって、東側に比叡山がよく見えました。
そのうち西側に御土居の断面が見られます。向かいには「御土居餅」を販売する和菓子屋さんがあったので、6人分「御土居餅」を買って食べました。
東側は民家になっていますが、御土居跡に沿って歩きます。よく見ると、どの家も軒先に赤色のバケツの「消火用水」がおいてあるのが気になりました。
やがて道が突き当たりになると、再び御土居が現れます。ここは少し上から湧いているらしい小さな水流がありました。
フェンスの脇を通って南側に出ると公園です。明治の地図では池になっていて、昔はため池だったようです。
これで御土居の見学は終了で、次は大徳寺の中を通っていきます。
大徳寺へ
公園から南東方向に歩きます。ところどころ高級車が止まっています。
途中、「牛若丸産湯井戸」という場所が畑の中にありました。
明治の地図に従って歩いていましたが、大徳寺の入り口が少し違っていて回り込んで入ります。
竹林と垣根がきれいな通りで、京都らしくていい感じです。
船岡山へ
大徳寺から南に行くと船岡山という山があるので登ることにしました。といっても高さ112m、標高差40mくらいなのですぐです。
最初に出た開けた橋は東側の眺めが良好で比叡山がよく見えました。
その先に最高点があって、南側の市街地が見えます。三角点がありました。
南側にチャートのミニ岩場があります。寝ているので登りがいはありません。
北野天満宮へ
船岡山を南側に下り、北野天満宮に向かいます。南西に狭い街路を歩きます。このあたりは明治期には畑や竹林で、その後無秩序に市街化した場所のようです。
やがて北野天満宮の北側に出て、「裏口」から入ります。
北野天満宮の西側に御土居が残っていて、梅苑に入るとみられます。8年前は梅苑にも入りましたが、今回はやめときました。
京都タワーへ
北野天満宮から京都タワーへ向かいます。バス停では、なかなか京都駅行きが来ず、時間がかかりました。バスは堀川通りを通るルートでした。
京都駅から北側の京都タワーに行きます。JAFの割引で少し安く上れました。
日が沈んでしまいましたが、西側の夕焼けがきれいでした。無料の双眼鏡では大阪の「あべのハルカス」も見ることができました。
夕食は四条通りを北に少し入った「すき焼き キムラ」です。
赤じゅうたんの玄関を上がると、庶民的なテーブルというかちゃぶ台が並ぶ部屋に入ります。
すき焼きは自宅で食べるのが普通と思っていたので、店で食べるのは初めてでしたが、おいしかったです。女性の店員さんがつっけんどんで荒々しかったです(笑)。
宿泊は「ホテル・京都・ベース 四条烏丸」というところで、値段の割にベッドも広くていい感じです。
2/13 2日目
今日は一日行動です。主に琵琶湖疎水という、明治期に作られた水路を巡ります。琵琶湖疎水は、水源としてだけでなく、落差を利用した発電や、京都と琵琶湖を結ぶ舟運にも使われ、京都の発展に貢献しました。
その中でも、傾斜のある場所で船を上下に運搬する「インクライン」という施設が2カ所作られたのが特筆すべき点で、まずそのうち現在も残る「蹴上インクライン」を見に行きます。
蹴上インクラインへ
四条駅から烏丸御池駅で東西線に乗り換えて、東山駅まで行きます。北に向かって、広い琵琶湖疎水を渡って岡崎公園に進みます。奥の平安神宮は、平安遷都1100周年記念で1895年に作られた新しい神社です。
京都美術館は工事中ですが、昭和初めに各地に作られた、屋根に天守閣をつけた和洋折衷の帝冠様式の建物です。
岡崎公園の東側は高級住宅地となっていて、大きな古い和風の邸宅が並んでいます。
そうした一角にラブホテルがあるのが不思議ですね。
岡崎地区を抜けると「琵琶湖疎水記念館」がありますが、本日は休館日でした。その向かいから琵琶湖疎水の蹴上インクラインの下に降りられます。
ここから標高差30mほどを、レール上の台車に船を乗せて運搬していました。前回は下を見ただけでしたが、今日は上まで上がっていくことにします。
途中、台車上に昔の船が展示されています。桜が植えられていて、桜の季節にはきれいでしょう。
インクラインの上に出て、ここから南禅寺にある琵琶湖疎水の水道橋、「水路閣」に行くことにします。琵琶湖疎水の北に向かう分水に沿いの歩道を進みます。南禅寺側は柵になっていて入れません。
どこから入れるのかと思って歩いていると、突然水路閣の上に出てビックリしました。水路閣はこんな感じでつながっているとは知りませんでした。
水路閣を見学して南禅寺を下り、三門という藤堂高虎が作らせた大きな門の上に上がりました。眺めがいいですが、裸足なので足が冷たいです。
昼食は、南禅寺の下にある「南禅寺 順正」という店で湯豆腐のコースをいただきました。豆腐料理というとちょっとしか量がないかと思いましたが、意外とボリュームがあってよかったです。ここもJAFの割引があって1割引でした。
伏見地区へ-酒蔵・太閤堤・伏見インクライン跡-
次は伏見に向かいます。南禅寺から琵琶湖疎水沿いを下って、鴨川べりの三条京阪駅で京阪線に乗り、中書島駅まで向かいます。
ちょっと北に「寺田屋」という、明治維新の時期にいろいろ事件の舞台になった旅館が残っているので行ってみます。旅館前の水路が船着き場になっていて、交通の要衝のようです。坂本龍馬の像があり、自動販売機も龍馬の水が売っていました。
伏見は酒造業が有名で、黄桜、月桂冠といった有名な蔵元の本社があります。造り酒屋の倉が並ぶ町並みで、いい雰囲気です。その中に黄桜の資料館的な「カッパカントリー」を見学しました。こちらは無料です。
つづいて月桂冠の「月桂冠大倉記念館」に向かいます。こちらは300円です。予約しておくと、製造方法の説明をしてもらえます。説明の女性の京言葉がとても上品です。
伏見は宇治川に面しており、宇治川の南側には戦前に干拓されるまで巨椋池という大きな池があり、その中に豊臣秀吉が作った太閤堤という堤防があって大和街道が通っていました。
せっかくなので、太閤堤跡を歩いて近鉄向島駅まで歩くことにしました。観月橋を渡って右手の細い道が太閤堤跡です。古い町並みが残っています。道の左右は低くなっていて、堤防であったことが今でも分かります。
東側に高層のアパートが建つ向島ニュータウンの横あたりで堤防の高まりはなくなり、向島駅になります。もう少し先までということで、いったん駅の西側に出てから、回り込んでカーブ部分に入ります。ここは古い家が似並んでいていい雰囲気でした。
小雪がちらついて寒い中、向島駅に戻って近鉄線に乗り、3駅京都よりにある伏見駅まで行きます。駅の東側に、伏見インクラインという、蹴上インクラインと同様の方式で船を昇降させる施設がありましたが、現在は国道24号線の坂道となっています。
上下に船溜まりがあるのですが、水が止められているようでした。墨染発電所は現役のはずですが、水が流れていないので稼働していないのでしょう。
この上流部分は、鴨川に沿って蹴上インクラインまで続くはずですが、現在は途中から安居化されています。
そのまま歩いて京阪の墨染駅に向かい、東福寺駅で降りて、歩いて京都駅に向かいます。JR線の北を跨線橋で渡り、崇仁地区を通ります。柳原銀行記念資料館に行こうかと思いましたが、時間が遅く終わっていました。この地区は金網で囲まれた更地が目立ちますが、大学の移転計画があります。
京都駅で夕食を食べて、久々に駅ビルの屋上に行きました。京都タワーがUFOみたいです。
2/14 3日目
大津へ
3日目は、大津に琵琶湖疎水の取水口を見に行きます。
地下鉄東西線から、大津へ向かう京阪京津線直通が出ているので、それで向かいます。御陵駅を過ぎると地上に出ますが、線路沿いの住宅がすごく近接しています。大津市街に入ると路面電車になって、浜大津駅に到着です。4両編成で路面を走るんですね。
外に出るとすぐに琵琶湖で、いい眺めです。琵琶湖は水運で使われていて、大津は港町だったわけですが、江戸初期には西回り航路が開拓されて、敦賀から陸送が必要な琵琶湖水運は衰退したみたいですね。
北側には比良のびわ湖バレイスキー場が雪で綺麗です。比叡山は黒く、それほど雪は降らないようですね。
北西の取水口に向かって歩きますが、ビルの間の遊歩道のような道は昔の江若鉄道の路線跡のようです。
すぐに琵琶湖疎水取水口です。第一疎水の方には閘門があります。隣の第二疎水は水路だけです。
第一疏水を進むと、三井寺駅の向こうにもう一つ閘門があります。ここから先はトンネルになりますが、船が通れる幅があります。今年の3月から、琵琶湖疏水通船が復活するそうです。乗ってみたいですね。
延暦寺へ
また少し時間があるので、最澄が開いた天台宗の比叡山延暦寺に行くことにしました。冬は京都側のケーブルカーは運休しており、滋賀県側の比叡山鉄道の坂本ケーブルしかやっていません。
京阪石山線を三井寺から乗り、終点の坂本駅まで行きます。そこからケーブルカー乗り場まで500mほど歩きますが、30分間隔のため急いで歩きます。
途中は石垣が立派です。穴太衆(あのうしゅう)という近世初期の石工が作ったそうです。途中の駅で穴太駅がありました。
ケーブルカーは往復1620円ですが、JAFの割引で1300円になりました。
上側のケーブル延暦寺駅からは、東側の眺めが素晴らしいです。天気もよく、昨日よりも暖かです。琵琶湖大橋の向こうに白い伊吹山が見ます。天気がいいので、御岳と白山も見えました。
敷地に入るには参拝料700円が必要です。延暦寺はいくつかのエリアに分かれていますが、時間の関係で東塔地域だけに行きました。総本堂の根本中堂は改修工事中ですが、中には入れました。お坊さんが盛大に護摩を焚かれていました。それにしても足が冷たい。
ほか、文殊楼、大講堂、阿弥陀堂などを外から見学しました。ケーブルカーに戻る際には、また時間の関係で走らされました。
坂本におりて昼食は「本家 鶴喜そば」でにしんそばをいただきました。ここもJAFで1割引になるのでお得です。
これで時間になったので、野外実習は無事終了しました。学生たちは嵐山方面に観光に行ったようです。
なお、8年前の前回はこちら。 https://ktgis.seesaa.net/article/201002article_8.html
今年度からカリキュラム改変により「人文地理学野外実習」から「地理学野外実習A」に名称が変わりました。
参加学生は5人とちょうどよい人数です。
2/12 1日目
京都のホテル「ホテル・京都・ベース 四条烏丸 」に13:00に集合です。例年遅刻者がいるのですが、今年は全員遅刻せずに集合できました。
御土居へ
まず、豊臣秀吉が築いた京都を囲む「御土居」を見学に行きます。明治の地形図にはかなり残っていますが、現在は一部のみ。
今回は、北西の佛教大学近くの御土居を見に行きます。冬型で寒いです。
四条烏丸のバス停で佛教大学行きのバスに乗ります。途中、8年前にも通った見覚えのある「餃子の王将」1号店の前を通りました。
佛教大学、なんか以前人文地理学会で来たことがあるような、と思って後で調べたら、2004年の大会で発表していました。そんなに前なのか~。
大学の北西側に狭い道を歩いて行くと、紙屋川の左岸に御土居が現れます。ここは上に登ることができます。
東側からは3m位の高さですが、西側の扇状地を開析した紙屋川の谷底までは標高差30mくらいあります。
少し北に移動すると、畑があって、東側に比叡山がよく見えました。
そのうち西側に御土居の断面が見られます。向かいには「御土居餅」を販売する和菓子屋さんがあったので、6人分「御土居餅」を買って食べました。
東側は民家になっていますが、御土居跡に沿って歩きます。よく見ると、どの家も軒先に赤色のバケツの「消火用水」がおいてあるのが気になりました。
やがて道が突き当たりになると、再び御土居が現れます。ここは少し上から湧いているらしい小さな水流がありました。
フェンスの脇を通って南側に出ると公園です。明治の地図では池になっていて、昔はため池だったようです。
これで御土居の見学は終了で、次は大徳寺の中を通っていきます。
大徳寺へ
公園から南東方向に歩きます。ところどころ高級車が止まっています。
途中、「牛若丸産湯井戸」という場所が畑の中にありました。
明治の地図に従って歩いていましたが、大徳寺の入り口が少し違っていて回り込んで入ります。
竹林と垣根がきれいな通りで、京都らしくていい感じです。
船岡山へ
大徳寺から南に行くと船岡山という山があるので登ることにしました。といっても高さ112m、標高差40mくらいなのですぐです。
最初に出た開けた橋は東側の眺めが良好で比叡山がよく見えました。
その先に最高点があって、南側の市街地が見えます。三角点がありました。
南側にチャートのミニ岩場があります。寝ているので登りがいはありません。
北野天満宮へ
船岡山を南側に下り、北野天満宮に向かいます。南西に狭い街路を歩きます。このあたりは明治期には畑や竹林で、その後無秩序に市街化した場所のようです。
やがて北野天満宮の北側に出て、「裏口」から入ります。
北野天満宮の西側に御土居が残っていて、梅苑に入るとみられます。8年前は梅苑にも入りましたが、今回はやめときました。
京都タワーへ
北野天満宮から京都タワーへ向かいます。バス停では、なかなか京都駅行きが来ず、時間がかかりました。バスは堀川通りを通るルートでした。
京都駅から北側の京都タワーに行きます。JAFの割引で少し安く上れました。
日が沈んでしまいましたが、西側の夕焼けがきれいでした。無料の双眼鏡では大阪の「あべのハルカス」も見ることができました。
夕食は四条通りを北に少し入った「すき焼き キムラ」です。
赤じゅうたんの玄関を上がると、庶民的なテーブルというかちゃぶ台が並ぶ部屋に入ります。
すき焼きは自宅で食べるのが普通と思っていたので、店で食べるのは初めてでしたが、おいしかったです。女性の店員さんがつっけんどんで荒々しかったです(笑)。
宿泊は「ホテル・京都・ベース 四条烏丸」というところで、値段の割にベッドも広くていい感じです。
2/13 2日目
今日は一日行動です。主に琵琶湖疎水という、明治期に作られた水路を巡ります。琵琶湖疎水は、水源としてだけでなく、落差を利用した発電や、京都と琵琶湖を結ぶ舟運にも使われ、京都の発展に貢献しました。
その中でも、傾斜のある場所で船を上下に運搬する「インクライン」という施設が2カ所作られたのが特筆すべき点で、まずそのうち現在も残る「蹴上インクライン」を見に行きます。
蹴上インクラインへ
四条駅から烏丸御池駅で東西線に乗り換えて、東山駅まで行きます。北に向かって、広い琵琶湖疎水を渡って岡崎公園に進みます。奥の平安神宮は、平安遷都1100周年記念で1895年に作られた新しい神社です。
京都美術館は工事中ですが、昭和初めに各地に作られた、屋根に天守閣をつけた和洋折衷の帝冠様式の建物です。
岡崎公園の東側は高級住宅地となっていて、大きな古い和風の邸宅が並んでいます。
そうした一角にラブホテルがあるのが不思議ですね。
岡崎地区を抜けると「琵琶湖疎水記念館」がありますが、本日は休館日でした。その向かいから琵琶湖疎水の蹴上インクラインの下に降りられます。
ここから標高差30mほどを、レール上の台車に船を乗せて運搬していました。前回は下を見ただけでしたが、今日は上まで上がっていくことにします。
途中、台車上に昔の船が展示されています。桜が植えられていて、桜の季節にはきれいでしょう。
インクラインの上に出て、ここから南禅寺にある琵琶湖疎水の水道橋、「水路閣」に行くことにします。琵琶湖疎水の北に向かう分水に沿いの歩道を進みます。南禅寺側は柵になっていて入れません。
どこから入れるのかと思って歩いていると、突然水路閣の上に出てビックリしました。水路閣はこんな感じでつながっているとは知りませんでした。
水路閣を見学して南禅寺を下り、三門という藤堂高虎が作らせた大きな門の上に上がりました。眺めがいいですが、裸足なので足が冷たいです。
昼食は、南禅寺の下にある「南禅寺 順正」という店で湯豆腐のコースをいただきました。豆腐料理というとちょっとしか量がないかと思いましたが、意外とボリュームがあってよかったです。ここもJAFの割引があって1割引でした。
伏見地区へ-酒蔵・太閤堤・伏見インクライン跡-
次は伏見に向かいます。南禅寺から琵琶湖疎水沿いを下って、鴨川べりの三条京阪駅で京阪線に乗り、中書島駅まで向かいます。
ちょっと北に「寺田屋」という、明治維新の時期にいろいろ事件の舞台になった旅館が残っているので行ってみます。旅館前の水路が船着き場になっていて、交通の要衝のようです。坂本龍馬の像があり、自動販売機も龍馬の水が売っていました。
伏見は酒造業が有名で、黄桜、月桂冠といった有名な蔵元の本社があります。造り酒屋の倉が並ぶ町並みで、いい雰囲気です。その中に黄桜の資料館的な「カッパカントリー」を見学しました。こちらは無料です。
つづいて月桂冠の「月桂冠大倉記念館」に向かいます。こちらは300円です。予約しておくと、製造方法の説明をしてもらえます。説明の女性の京言葉がとても上品です。
伏見は宇治川に面しており、宇治川の南側には戦前に干拓されるまで巨椋池という大きな池があり、その中に豊臣秀吉が作った太閤堤という堤防があって大和街道が通っていました。
せっかくなので、太閤堤跡を歩いて近鉄向島駅まで歩くことにしました。観月橋を渡って右手の細い道が太閤堤跡です。古い町並みが残っています。道の左右は低くなっていて、堤防であったことが今でも分かります。
東側に高層のアパートが建つ向島ニュータウンの横あたりで堤防の高まりはなくなり、向島駅になります。もう少し先までということで、いったん駅の西側に出てから、回り込んでカーブ部分に入ります。ここは古い家が似並んでいていい雰囲気でした。
小雪がちらついて寒い中、向島駅に戻って近鉄線に乗り、3駅京都よりにある伏見駅まで行きます。駅の東側に、伏見インクラインという、蹴上インクラインと同様の方式で船を昇降させる施設がありましたが、現在は国道24号線の坂道となっています。
上下に船溜まりがあるのですが、水が止められているようでした。墨染発電所は現役のはずですが、水が流れていないので稼働していないのでしょう。
この上流部分は、鴨川に沿って蹴上インクラインまで続くはずですが、現在は途中から安居化されています。
そのまま歩いて京阪の墨染駅に向かい、東福寺駅で降りて、歩いて京都駅に向かいます。JR線の北を跨線橋で渡り、崇仁地区を通ります。柳原銀行記念資料館に行こうかと思いましたが、時間が遅く終わっていました。この地区は金網で囲まれた更地が目立ちますが、大学の移転計画があります。
京都駅で夕食を食べて、久々に駅ビルの屋上に行きました。京都タワーがUFOみたいです。
2/14 3日目
大津へ
3日目は、大津に琵琶湖疎水の取水口を見に行きます。
地下鉄東西線から、大津へ向かう京阪京津線直通が出ているので、それで向かいます。御陵駅を過ぎると地上に出ますが、線路沿いの住宅がすごく近接しています。大津市街に入ると路面電車になって、浜大津駅に到着です。4両編成で路面を走るんですね。
外に出るとすぐに琵琶湖で、いい眺めです。琵琶湖は水運で使われていて、大津は港町だったわけですが、江戸初期には西回り航路が開拓されて、敦賀から陸送が必要な琵琶湖水運は衰退したみたいですね。
北側には比良のびわ湖バレイスキー場が雪で綺麗です。比叡山は黒く、それほど雪は降らないようですね。
北西の取水口に向かって歩きますが、ビルの間の遊歩道のような道は昔の江若鉄道の路線跡のようです。
すぐに琵琶湖疎水取水口です。第一疎水の方には閘門があります。隣の第二疎水は水路だけです。
第一疏水を進むと、三井寺駅の向こうにもう一つ閘門があります。ここから先はトンネルになりますが、船が通れる幅があります。今年の3月から、琵琶湖疏水通船が復活するそうです。乗ってみたいですね。
延暦寺へ
また少し時間があるので、最澄が開いた天台宗の比叡山延暦寺に行くことにしました。冬は京都側のケーブルカーは運休しており、滋賀県側の比叡山鉄道の坂本ケーブルしかやっていません。
京阪石山線を三井寺から乗り、終点の坂本駅まで行きます。そこからケーブルカー乗り場まで500mほど歩きますが、30分間隔のため急いで歩きます。
途中は石垣が立派です。穴太衆(あのうしゅう)という近世初期の石工が作ったそうです。途中の駅で穴太駅がありました。
ケーブルカーは往復1620円ですが、JAFの割引で1300円になりました。
上側のケーブル延暦寺駅からは、東側の眺めが素晴らしいです。天気もよく、昨日よりも暖かです。琵琶湖大橋の向こうに白い伊吹山が見ます。天気がいいので、御岳と白山も見えました。
敷地に入るには参拝料700円が必要です。延暦寺はいくつかのエリアに分かれていますが、時間の関係で東塔地域だけに行きました。総本堂の根本中堂は改修工事中ですが、中には入れました。お坊さんが盛大に護摩を焚かれていました。それにしても足が冷たい。
ほか、文殊楼、大講堂、阿弥陀堂などを外から見学しました。ケーブルカーに戻る際には、また時間の関係で走らされました。
坂本におりて昼食は「本家 鶴喜そば」でにしんそばをいただきました。ここもJAFで1割引になるのでお得です。
これで時間になったので、野外実習は無事終了しました。学生たちは嵐山方面に観光に行ったようです。
なお、8年前の前回はこちら。 https://ktgis.seesaa.net/article/201002article_8.html